第10章 * 過去 *
「バスケの試合中、香奈は
ラフプレーを敵から受けていました
香奈達のチームはギリギリ
相手校に勝っていたけど
香奈の体はもう限界で…
相手は最後に香奈の足を潰そうとしたんです」
「でも、チームメイトが香奈を
助けたんです。香奈のチームメイトは
足を負傷。決勝も逃しました
当然のように香奈は批判を浴びました
その後香奈はバスケ部を退部
…でもそれだけじゃなく
他のチームメイトが男子に
香奈を犯すように命令したんです
……香奈はそのあと3日間何も食べなくて
心配した佐藤さんは話を全部聞いたんです」
「だから、今回香奈が一番嫌っている
レイプと、一番仲のいい先輩の死を聞いて
取り乱したんでしょうね」
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-香奈side-
取り乱すなんて…
黄瀬君は悪くない、皆も悪くない
"男なんて最低"
…嫌なこと思い出しちゃった
佐藤さん… 皆に優しくて
私が大好きだった人
「たぶんもうすぐ連絡が
くるんだろうな…」
今日家具買いに行く予定だったのに…
佐藤さんの事を思い出すと悲しくなる
涙が出るわけじゃない
たぶんまだ実感がわかないだけ…
実感がわいたとしても涙は出ないと思う
なんでよりにもよって性行為なんですか…?
" コン コン "
「香奈ちゃん?」
…高尾君?
「野塚さん」
…黒子君
ごめんね 出る気になれない…
「入るよ…?」
" ガチャ "
「っ!!入ってこないで!」
…自分でもビックリするくらい
大声が出た
「…香奈?」
…赤司君
(高)「赤司っ!」
赤司君はその声を無視するかのように
部屋に入ってきた