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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【団栗ころころ】



「これ、………どんぐりの」

乾燥させた金魚草の裏に
ひっそりと隠れるようにして
それはあった。

刺繍を施した巾着袋

くたりと腰を折るように
頭を垂れてしまった巾着から、

カツッ コツン

零れていたのはどんぐりだった。

「何だよ……こんな、はは
トト○じゃないんだからさ」

漏れてしまった笑いは
思ったよりも全然渇いてる。

軽く握った拳をおでこに
当てると、どうしてかな
なんか視界がぼやけてきた。

「…………っ紗英」

カツン、落ちたのは僕の涙か
それとも君のどんぐりか

こんな風に訴えるくらいなら
今すぐ僕の目の前に来て
僕を殴ってくれればいいのに。

ねえ紗英、ごめんね。

「僕、……っ、また、こうやって
……君を傷つけることしかできない」








【八ノ章】
団栗ころころ___終
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