第8章 【団栗ころころ】
「ん、ああっ……や、ぁっ」
「どう……?何度も、何度も
僕らはこうして愛し合ったんだよ。
君は、……僕なしじゃなきゃ、」
生きていけないのは
僕のほうだ。
違う!頭に過ってしまった
馬鹿な考えを振り払うように
必死で目の前の君を求める。
熱く溶けてしまいそうな
襞が、絡みついて離れない。
「は、く澤……さま、っ」
そうさ。君は僕を求めてる。
だからああして
思念を、未練を
残してくれたんだろう?
「お願いっ……好き、って
言って……紗英、お願い」
「ん、ふっ……すき、ぁあっ」
「もっと……もっと聞かせて。
そんなんじゃ足りないよ……っ」
「白澤さま……っ好き」
そうさ。僕らはこれからも
ずっとずっとこうして
愛し合っていくんだ。
だからほら、早く
早く紗英の絵で儀式を──