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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第7章 【パンチヒーロー】後編



時折舌に当たるのは
牙、なのかな……。

鬼灯様の口内に舌を
絡め取られるたび
チクリとした刺激が走る。

それが、どうしようもなく甘い。

「ん、は、ぁ……っ」

湯けむり以上に熱っぽい
彼の吐息に呼吸を奪われ

キスの隙間から
恥ずかしい声が漏れた。

「ここ……痕、ついてますね」

唇から耳、首筋をつたって
下ろされていくキスの途中

私の首筋に赤い痣を
見つけて、鬼灯様は
口の奥の方で舌打ちをした。

直後、襲ったのは
肌を刺すような痛み。

「痛……っや、あぁっ」

「億万歩譲って白豚の後なら
まだしも、……あのような人間の
残り香がするというのは、」

赤痣を恨めしげに噛むのは
屈辱を何より嫌う、鬼の牙

「どうにも許せませんね」

鬼灯様は鋭く言ってみせて、
一層強く牙を食い込ませた。
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