第3章 【今日も日陰で花は咲く】
「ん、んうっ……んんっ」
絶頂を間近にした男は、
薺が壊れてしまいそうなほど
荒々しく腰を打ち付けた。
「やべっ……俺、もう限界」
一番奥に自身を埋め込んで、
男は白濁としたそれを
小刻みに吐き出していく。
果てた陰茎は何度か
脈打ったあと、ずるりと
抜け出て頭を垂れた。
「はあ、あー……すっげえ
気持ちよかった……薺は?」
「ん……私も気持ちよかった」
満足げに軽いキスを
交わす若い恋人たち。
仲睦まじいその様子を
校舎の裏に咲く
小さな雑草が見ていた。
これが彼氏と交わす
最後のキスだなんて、
薺は夢にも思わなかったのである。