第2章 風邪の移し方【一角/N】
『やぁ……んぅ……』
口を覆われ深い口付けになりいつもより熱い舌が入って来ると、小さい舌を絡め取られてしまう。
徐々に激しく厭らしい口付けになると、悠鬼は一角の胸を押して抵抗するも中々放してくれない。
一角は悠鬼の抵抗を無視してキスを堪能すると、そのまま彼女を布団に押し倒す。
そこで一角がする気でいる事に気付いた悠鬼は、さらに強い力で必死に彼の胸を押す。
腰に回していた手は、悠鬼の太腿やお尻を這って居り焦り出してしまう。
『ぷはっ!……ダメ!それ以上はっ……一角?』
一角がやっと口を放してくれた事で話せる様になった悠鬼は、彼の為にはならないと必死で拒むがドサっと自分の上に乗っかって来る。
悠鬼が肩を揺すると無反応な彼に驚いて顔を覗き込む。
どうやら熱がある躰で無茶をして、気絶してしまったらしい。
困った様に笑みを浮かべると、溜め息を吐きながら悠鬼は一角の頭をそっと胸に抱き締める。
『ふふ、きちんと治してから愛して頂戴な……一角』
ちゅっと彼の頭に唇を触れさせる。
ー次の日ー
「えー!今度は悠鬼が風邪引いたの!?……止めてよー、僕の仕事が増えっ「うるせぇな!仕方ねぇだろ!」
「どうせイチャついて移したんでしょー?」
「うっ……それは……」
弓親に連絡をして次の日も休む事になった悠鬼と一角。
お約束な事をして散々弓親に怒られた一角は、一方的に電話を切って寝室へと向かう。
『一角、弓親怒ってたでしょ?……一角だけでもお仕事に行って良いのよ?』
「病人は黙って寝てろよ」
『でも……』
「うるせぇな、さっさと治せば良いだけだろ?」
そう言って一角は何故だか、悠鬼の布団へと入って来る。
ボーっとする意識の中で、悠鬼の目に映る一角は着物を脱ぎ始める。
鍛えられた彼の躰には何回見てもドキドキしてしまうが、悠鬼は一角を不思議そうな眼差しで見上げる。
『一角?何して……』
「あ?熱出した時は汗掻いた方が良いだろ?」
そう言って下にいる悠鬼の寝巻きも脱がせる一角。
『やぁ!今はッ』
「悠鬼はじっとしてろ、俺が動くから安心しろよ」
後に一週間は抱かせてくれなかったとか……
Fin.