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淡い恋心

第14章 男の悩み【凛+宗/B】



この春に鮫柄学園に入学した、松岡 望。
部活は兄が部長を務める、水泳部に入部した。

でも着替える時は、他の部員と別の場所で着替えている。

『はぁ~』

誰も居ない自室でズボンの中を見て溜め息。
女顔な上に自身はとても小さく、兄や他の男子とはどこか形が違う。

なので中学の頃から、周りの人達にからかわれていた。
望はこのコンプレックスを克服する為に、自身を大きくする事を考えた。

『んっ……ぁあ……』

グイグイ上に伸ばして見る。
皮を剥いたら兄に怒られるので、剥かない程度に引っ張ったり握ったりして見る。
けど、いつもの様に起っただけ。









自分自身を刺激して苦しくなってしまった望は、半べそを掻きながら寮にある凛の部屋を訪れる。

今日は休日なので部屋にいるかもと、期待しながらドアを開ける。
二段ベッドの下には誰かが寝ている様で、掛け布団がこんもり膨らんでいる。
望はダッと駆け寄ると、上にドスンと乗っかる。

『兄ちゃん!……起っちゃたぁ……どうにかして?』

「悪いな……俺はお前の兄貴じゃねぇよ」

相手の上に乗っかって、股間をモジモジさせる望。
声の主は自分が思っていたのとは違い、起き上がって相手の顔を見た望はクリクリの目を更に見開いて驚く。

『そ、宗くん!?』

「久し振りだな、望ぃ……暫く会わない間に、お前等そういう仲だった訳?」

布団の中から兄の親友の山崎宗介が姿を現した。
相手の問い掛けに自分の言動を恥ずかしくなってしまった望は、かぁーっと耳まで顔を真っ赤に染めて俯く。

『宗くん……兄ちゃんと同室だったんだ?』

「聞いてなかったのか?……まぁ、俺で良かったな。他の奴だったら襲われてるかもな?」

『えっ、何で?』

「……高校生になっても可愛いな、望は」

『言わないでよ!オレのコンプレックス!』

コンプレックスを指摘されて、頭にカチンと来てしまった望は、珍しく怒鳴り声をあげる。
ぷっくり頬を膨らませて怒るので、その姿も可愛いと思いながら「悪い、悪い」と頭を撫でる宗介。

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