第13章 初恋【一護/N】
お盆に二つ分のカップを乗せ、悠鬼さんの待つ部屋へと向かう俺。
顔には出さない様に平然を装おうとは思うが、好きな人が自分の部屋にいるというのは嬉しいけど緊張もする。
ドキドキする胸を押さえながら一つ深呼吸する。
そしてドアノブに手を掛けた瞬間、俺は中から聞こえる言葉に動きを止める。
『やぁ~!……コンちゃん、おませはダメよ?』
「悠鬼姉さん、凄ぇ良い匂いするッス!」
『ごめんなさい、私そんなに胸無いから……恥ずかしいっ』
「安心して下さい!ストライクゾォオーン!」
部屋の中に入った俺が目にしたのは、ベッドの上でコンを胸に抱き締めてる悠鬼さんの姿。
悠鬼さんが本気で嫌がってる訳じゃないのを良い事に、コンは彼女の胸を大胆に揉んでいる。
俺はお盆をガシャンと床に落としコンの頭を鷲掴むと、腕を振りかぶって窓の外に放り投げる。
「悠鬼さん、大丈夫か?」
『私は大丈夫よ、私よりコンちゃっ……』
「アイツはスケベの変態野郎だから近付かない方が良い」
『大丈夫よ、こんなおばさんを襲いたい人なんて居ないから』
その一言にイラっとした俺は、悠鬼さんをベッドに押し倒した。
確かに俺と彼女は実際凄い年の差がある。
でも悠鬼さんは、見た目は二十代半ばくらいの女だ。
一緒に並んで歩いても、別に可笑しくはないと思う。
『いちっ……』
「俺は悠鬼さんの事、抱けるぜ?……そういう事したいって思う」
『や、やだ……一護くん、何言って』
「悠鬼さんが好きだから」
『からかわないでっ……んぅ!?』
悠鬼さんから見れば俺は餓鬼で、言葉で言っても伝わらないのは分かっていた。
餓鬼の戯言だと、本気で受け止めてくれないのだと……
だから俺は悠鬼さんの柔らかい唇に、自分の唇を重ねる。
驚いて目を見開く彼女。
そして色白の綺麗な太腿を、俺が撫でた瞬間強く抵抗して来る。