第13章 初恋【一護/N】
『ごめんなさい、一護くん……急にお邪魔しちゃって』
「あぁ、構わねぇよ……茶入れて来るから、先に部屋行ってろよ」
『はい、ありがとうございます』
今日は俺の初恋の人、彩條 悠鬼さんが俺の家に来てくれた。
彼女は護廷十三隊の死神で、今回は一人で現世任務に来たらしい。
物腰が柔らかく言葉使いも丁寧で、怒ったところなんか見た事ないくらいいつも優しい。
俺はそんな彼女に片想い中だ。
あまりの年の差に、相手にされてない感じだけど……
悠鬼さんと階段の所で別れると彼女は二階に上がり、俺は茶を淹れる為にキッチンへ向かう。
『お邪魔します』
「ん?……誰だぁ……っ!?」
『!?』
一護に言われた通り、階段を上って彼の部屋の扉を開けた悠鬼。
誰も居ないと思いながら、一応お邪魔しますを言って中に入る。
声を掛けられるとは思っていなかった悠鬼は、足元で動くライオンのぬいぐるみに驚いている。
そして相手は悠鬼を見て、目をハートマークにして興奮している。
「綺麗なお姉さぁ~ん!その胸にこのぬいぐるみを抱いて下さい!」
そのぬいぐるみは悠鬼の胸に飛び込み、柔らかい胸に抱かれる。
しかし、普段なら殴られるか蹴られるかされているので、何もして来ない悠鬼に困惑するぬいぐるみ。
『きゃあー!か、可愛い~!』
「い、嫌じゃないんスか!?」
『全然嫌じゃないわよ!……私は彩條 悠鬼です、貴方のお名前は?』
「俺はコン様だ!」
『コンちゃん可愛い~!』
「悠鬼姉さんもか、可愛いッス……」
悠鬼の胸の中に埋まるコンは、鼻の下を伸ばしてデレデレに照れている。
彼女のツボに入ったのか、コンのあまりの可愛さに夢中な悠鬼。