第12章 お気に入りの場所【一角/N】
私が一番好きな場所は縁側です。
天気の良い日には日向ぼっこに最適だし、季節毎に色んな景色を見せてくれる。
けれど、私が本当に好きな理由は……
「悠鬼、膝貸せ」
『ふふ、はいはい』
ここに居れば一角の方から会いに来てくれるから。
お昼ご飯を食べ終えて、暫くすると縁側でお昼寝をするのが私達の日課。
二人っきりで過ごすとても大事な時間です。
『一角、耳掻きしてあげる』
「あ"?……別に良い、昼寝の邪魔すんなよ」
『優しくするから一回だけお願い』
「……っ……」
『ね?』
「少しにしろよ」
『えぇ、終わったら寝てて良いから』
好きな人にはついつい世話を焼きたくなる。
別に頼まれている訳ではないので、やり過ぎて一角を困らせてしまう事も多々ある。
こうして私の膝枕で寝て居れば、私に構われるのが分かっていて来てくれる。
横向きになってくれた一角の耳に触れると、少しピクっと反応する。
それが可愛く思えてしまい、私は一角の耳朶をモミモミする。
「おい、んな事するなら止めるぞ?」
『ご、ごめんなさいっ……』
「誘ってんなら大歓迎だ、ヤるか?」
『し、しないわよっ。昼間っから何言ってるの……』
耳朶を揉まれ、一向に耳掻きをやる気配を見せない私に、一角は横目でギロっと睨んで来る。
慌てて彼から手を離すと、その手を逆に掴まれる。
一角が上を向いたかと思うと、後頭部を押されて引き寄せられ、唇が触れそうな距離で低く囁かれてしまう。
一気に頬を赤く染めた私を見て、一角はククッとからかう様に笑う。
「昼間だろうと何だろうと、お前に誘われたら断れねぇよ……俺のここは正直に悠鬼に反応するんだからっ」
『……っ!?……や、やだ……一角』
掴まれた手は一角によって、股間へと運ばれてしまう。
袴越しに自身を触らされ、もう大きくなっているのが分かる。
手を離したくても一角の手と私を見つめる目が、それを許してくれない。