第11章 秘密【宍戸/N】
俺の彼女は、時々抜けているところがある。
テニス部のマネージャーとして毎日立派に仕事をしていて、部長の跡部だって感心する程仕事だけは完璧。
だが普段は何もないところで躓いたり、上履きのまま帰ろうとしたり、デートの時なんて良く迷子になるし……
呆れる事もあるがそこが可愛いと思うので、強く怒れない自分もいる。
「あちー……?」
『りょ、亮くん!?』
放課後の部活が終了し、着替える為に一番に部室に入った俺。
最初に見た光景に、目を見開いて驚愕する。
先に悠鬼が居たのだが彼女はパンツ一丁でペッタリっと床に座って、恥ずかしそうに俺を見上げている。
『せ、洗濯してたら下着まで濡れちゃって……直ぐ着替えるから、亮くんは後ろ向いてて?』
そう言う悠鬼から俺は目を逸らせないで居た。
まだキス以上の事はしていない俺に、彼女の柔らかそうな白い肌・豊満で可愛く見えてる胸の蕾・細い腰に・紐のパンツから少し覗いているお尻の割れ目は衝撃的。
俺はその綺麗なプロポーションに、頬を真っ赤に染めて見詰めていた。
『やぁ!……お着替え出来ないから見ないで!』
「わ、悪ぃ」
謝るものの一向に見るのを止めない俺。
そんな俺に困惑した様に恥ずかしがる悠鬼は凄く可愛い。
直ぐにでも襲いたいが大事にしたいと思っている為、我慢するしかないと諦めて溜め息を吐く。
「はぁー、今日の練習もマジきついし」
「でもさっきのは悪いないで?岳人」
「!?……悠鬼、隠れろ!」
『きゃ!?』
他の部員も俺同様に練習を終わらせて、部室に向かって来る話し声が聞こえて来る。
彼女のこんな姿を他の野郎に見せたくないので、俺は悠鬼の腕を引っ張って二人でロッカーへと入る。
「あれ?……宍戸さん、来てませんね」
「先に行っとったやん」
「便所でも行ったんじゃねぇの?」
続々と部室に入って来る部員達。
俺は必死にバレない様にと、悠鬼を力強く腕の中に抱き締める。