第36章 本当の心【黄瀬/N】
放したくないと先程よりもぎゅっと力強く抱き締め、黄瀬は悠鬼をソファーに押し倒す。
「何で分かってくれないんスか!……俺はこんなに悠っちを想ってるのにッ……」
『……涼くん』
「悠っちは凄く可愛いッスから!……だからそんな自分を傷付ける事言わないで下さい!」
『涼くんを大好きになっちゃったの!……だから怖くてっ……』
「……ッ……もうどれだけ俺をホレさせたら気が済むんスか」
『涼くん、好き』
「俺も悠っち……悠鬼が好き」
悠っちが困るくらいしつこくアピールして付き合って貰える事になったので、最初は少し好かれているかな?って感じてたんスけど、今は本当に好きでいてくれているのが分かると、俺は悠鬼を目一杯愛でた。
夕方までたくさん看病してくれて、いつもはマネージャーとしてバスケ部の皆の世話をしてるッスけど、今日は独り占め出来て満足ッス~!
「っで黄瀬ちん、悠ちんを泣かせたの~?」
「ハッ!?何で知ってるんスか!」
「あぁー!きーちゃん本当に泣かせたのー?」
「マジでナイスバディな女がいたのかよ?」
「黄瀬くん最低です」
「よりによってウチのマネージャー相手に良い度胸なのだよ」
「泣かせたのは事実ッスけど綺麗なお姉様なんか居ないッスよ!」
『って言うか青くんが誤解を生む様な事言うからだよ!』
「別れさせる様な事言わないで下さいッス!」
「バーカ!疑われるっつー事はてめぇが信用されてねェって事だろうが!」
「う゛ッ!?」
「モテ過ぎるのも大変だね~?やっぱ悠ちん、黄瀬ちんより俺の方が良いってー」
『私がさつきちゃん見たいに綺麗だったら自信も持てるんだろうけど……』
「ゆッ、悠っちも綺麗ッス!可愛いッスよ!大好きッス!」
『もう分かったからぁ!ちゃんと涼くんの事信じるから!……私も大好き!』
「……ッ……」
「イチャ付くなら他所でヤれやァー!!」
Fin.