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淡い恋心

第5章 気になるアイツ【勝呂/N】



俺は祓魔師になる為に、毎日真剣に授業に取り組んでいる。
テストも実技も申し分ない。

だが隣に座る幼馴染みの悠鬼は、時々俺をじっと見てはベタベタ触って来よる。
何度怒っても止めへんから、俺も頭を良う悩ませとる。

そして今も現在進行形で行われとる。

『……』

「……」

いちいち気にして構っとったら切りがない。
俺は真横の視線を無視して、教卓で話している先生の話を真剣に聞いとったのに。

『ん~……竜ちゃん、またピアスの穴増えたん?』

「せやったら何や?」

視線は黒板から離さへんまま、少し冷たい口調で呟く。
(授業に集中せぇ)とイラつきも含め……

しかし、流石幼馴染みや。
俺の態度に平然として居り、いつも怒られるのを分かっていて耳朶に触れる悠鬼。

『こないにプスプス穴開けてどないしたん?反抗期?』

「んな訳あるか、えぇから授業に集中せぇや」

『気になるんやもん!それでなくても目付き悪いのに、余計柄悪くなるわぁ~』

「お前、女やなかったら殴っとるで……」

『えぇ~……だって友達、燐くんしか居らんやん?心配やわ~』

「お前は俺のオカンか!」

「ぷっ、二人共……授業中に漫才はせんといてっ」

「してへん!」

『廉造も違和感あるやろ?竜ちゃんの格好!』

後ろの席にいる志摩まで話に入って来たから、悠鬼は躰事振り向いて思っている事を素直に聞いとる。

「僕はもう慣れましたけどね?」

「お前もええ加減慣れろや」

『まぁ、モテへんからええけどね!』

「何やと!」

『モテたらあたしも頑張らなぁアカンやん!』

「はぁ!?」

「でも坊なら他に寄って来ても可笑しいないですやん」

『!?……り、竜ちゃん、その時はあたしが犯罪者にならんよう見張っといてぇや……』

「何する気や!?お前が言うと洒落んならん!」

冗談とは取れない志摩の発言に、真剣に悩んだ悠鬼は自分の手をワナワナと震わせて真顔で、俺に阿呆な事を頼んで来る。
普段、志摩限定でシメとるから少し不安や。

「お前は何の心配しとんねん」

『竜ちゃんの貞操を……』

「年頃の女がそないな事心配すんなや!」
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