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淡い恋心

第29章 彼・依存症【遙/N】



『……っ……』

「起きたのか?」

部屋を出て階段を下りて行くと台所の方から良い匂いがして来たので、悠鬼は匂いに誘われて中に入って行くが、遙が水着にエプロン姿で台所に立っているのを見付けてしまう。
遙はそれに気付いて振り返り平然としているが、悠鬼は目を離せずに赤くなる自分の頬を押えて悶えている。

『ハルくんっ……そんな格好してると襲われちゃうぞ!』

「誰にだ?」

『私に!……サバじゃなくてハルくん食べた~い』

「俺はサバが食べたい」

『もうツレないんだから……でもそういうところも好きよー!』

そんな彼の格好を見て悠鬼に我慢等出来る筈もなく、腰に腕を回すと後ろから遙をぎゅっと抱き締めて興奮してしまう。
たまに変態発言をする悠鬼には慣れている遙は敢えてツッコまず、抱き付いている彼女をそのままにして、フライパンの中で焼けて行くサバに視線を向ける。

「それより躰は平気か?」

『うん!ハルくん優しいからいつも辛くないもん!』

「……なら良い」

『ずっと聞きたかったんだけど、チャームポイントの上腕三頭筋って何処?』

「……多分、ここ」

聞かれた遙もハッキリとその箇所を解っていないが、腰に回されている悠鬼の手を掴むと、自分のチャームポイントらしい上腕三頭筋に触れさせる。
その行為で悠鬼の胸はドキンと高鳴り、その箇所に顔を寄せるとちゅっとキスを落とす。

「……ッ……」

彼女の不意な行動に今度は遙が胸の奥を高鳴らせ、ガスコンロの火を止めて振り向くと悠鬼の顔を上げさせて、唇にキスを落とすと押し付けて深いものに変えて行く。

『……んっ……ハルくっ……』

「悠鬼のせいだからな。今度は優しく出来ない」

『ハルくんなら大歓迎よ!』







『って言いながらもハルくんは優しいのー!聞いてるの!マコくん!』

「もう聞きたくないよ!ハルぅ~助けて!」

「……」

「無視しないでって!」

『男子が女子の裸エプロンに興奮する気持ちが解るよ!凄くカッコ良かったもん!』

「カ、カッコイイかな?」

「裸エプロンじゃない、水着履いてる」

『そっかぁ……水着着てれば裸エプロンにはならないんだねぇ。今度は私がハルくん誘惑しちゃう!』

「うん」

「うんじゃないよ!」

Fin.
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