第20章 小さな彼女【一角/N】
『んっ……一角?』
悠鬼が目を覚ました時、次の日の朝になっていた。
いつ帰って来たのか覚えてないが、自宅の寝室で寝ていたのだ。
隣には普段の様に一角が寝ていて、悠鬼の躰も戻っている。
腰に痛みを感じるが、一角の背中に腕を回せる事に気が付くと、何だか嬉しくなってぎゅと抱き締めてしまう。
「……襲うぞ」
『あら、もう起きちゃったの?……ダメよ、もう少しこのままで居て頂戴』
「悠鬼、二度と技術開発局に行くなよ」
『ん?……気に入ってたんじゃないの?エッチしたい程……』
「このままで良い……確かに良かったけど、俺が惚れたのは餓鬼のお前じゃねぇからな」
『ふふっ……私も愛してます、一角』
一角に「惚れた」なんて言われたのは、何年ぶりだろう。
告白された時よりも、ずっとずっと好きになっている。
いつまでもこの愛を失わない様に、ぎゅと抱き締め合いたい。
たった一人、貴方だけを
Fin.