第16章 強き王・バリー【バリー/N】
ガッシュが魔界の王になった後。
「ユウキ」
『ん?……何、バリー?』
「学校卒業したら、オレと結婚しよう」
『え?』
「王になれなかったから、妃にはしてやれねぇけど……それでも良いなら」
『関係ないよ、私はバリーが好きなんだから!……バリーのお嫁さんにして?』
「あ、あぁ」
「貴様ら!課外授業中に良い雰囲気になるなぁ!!」
『きゃぁ!?……キースっ、ムード台無しじゃない!彼女居ないからって僻まないでよねぇ!』
「ひ、僻むかぁ!私は貴様らが鬱陶しいから注意しているのだっ」
『鬱陶しいのはキースでしょ!……いやぁ!煙草臭くなる!』
「臭くしてやる!……ふー!ぐはっ!」
『死ね!』
バリーはキースと喧嘩してるユウキの腰に腕を回し、クイっと引き寄せる。
「……キース、いくらユウキが綺麗でも、俺の女にあまりちょっかい出すなよ」
「はぁ!?」
『き、綺麗?……俺の女?』
彼からは聞き慣れない言葉に二人共に驚いてしまうが、ユウキはとても嬉しそう。
愛しい気持ちが抑えられず、バリーは人がいるのも気にせず彼女にキスを落とす。
(あ、あのバリーがっ……あんな事を言うとは!?)
「ユウキ、愛してる」
『!?』
「……っ……」
『私もバリーを愛してます』
耳元で彼が囁いてくれた言葉に驚いてしまうが、ユウキもそっと優しく告げる。
そしてどちらからかともなく、甘い甘い口付けを交わす。
確かにあの戦いは、辛い事も沢山あったと思う。
でもその分、自分達が変わる程の良い経験になったとも思うの。
私も彼も強くなったと同時に、二人の距離があの戦いを通じてグっと縮まった気がする。
グスタフさんの言う通り、バリーは王様を殴れるくらい強くなれた。
ガッシュくんを中心に、一緒に素晴らしい世界に出来たら良いよね?
バリー……
Fin.