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最後の夜

第1章 飲み会


 冬乃は自分が飲む物ならなんでも飲むのか、モスコーミュールもジンバックも、その後頼んだ酒の度数の強いブラックルシアンやビトウィーンザシーツまでも口をつけるという強者だった。
「あー初夏ちゃんがぁー、歪んでるー!」
 いつもならば考えられない冬乃のテンション。ムービーでも撮ってやろうかと考えたが、あとあと見つかるとやばいので流石に控えておいた。だが子供の様にはしゃぎまくる冬乃は中々見れないもので。
 そういえばここまで酔うことは珍しい気がする。何か嫌なことでもあったのだろうか、そう考え冬乃を許してしまう自分も少し酔っているんだと思う。
「そろそろお開きにしよーぜー」
 幹事の声がし、周りはふらつきながらも立ち上がり金を出し始めた。ところが冬乃はうとうとしていた。
 しょうがないなと思い冬乃の分も出してやり、担いで店を出る。
「おいおい大丈夫かよ初夏と冬乃は。」
 周りはおぼつかない足取りの自分とその自分の上にいる冬乃の心配をしていた。それもそうだろう、いつもと全く違う一面を見せた冬乃を身長が15cmくらい小さい自分が担いでいるのだから。
「大丈夫や問題ない」
 そう言って笑って見せるがやはり冬乃の方が重いことと、飲み過ぎたということもあり真っ直ぐ歩くことは難しかった。
「そういえば近くにラブホならあったけど、お前らそこで泊まったほうがいいんじゃない」
 親切に聞こえるが凄く人事なお言葉ありがとよ。そう思いながらも言われた通りラブホを目指した。
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