第3章 朝
眩しくて目を覚ました。
昨日飲み過ぎたせいか少し体は重たいが記憶ははっきりしている。
そう言えば冬乃が居ない。風呂かトイレか。そう考えながらベッドから出ると一枚の紙が目に付いた。
『初夏へ
昨日はごめん。酔ってたこともあったけどやっぱ好きっていうこと伝えたかったから強引にしてしまった。もちろん受け入れてもらえるなんて思ってなかったよ。だって初夏にはちゃんと好きな人いるもんね。少し寂しいけど、諦めるね。今までありがとう、お幸せに。 冬乃』
走り書きで書いた様な字やと形が崩れた字がたくさんある、それがまた心を深く動かしてきた。ぶっちゃけ冬乃を選ぼうかとも思った。でも、無理だった。だがその結果手に入れたのは欠落感。冬乃という存在が自分をどれだけ支えていたのか、今更になって気付いた。
込み上げてきたこの気持ちをどこにやっていいのかもわからず泣くことしか出来なかった。
もう会えないのかもしれない。この先欠落感を背負いながら歩いていく。時間と共にその欠落した部分は埋まっていくだろう。だが冬乃にはもう関わりを持てないのだろう。最後に書かれた、今までありがとう、お幸せにがその気持ちを強く固くし、ぶつかってくる。
「冬乃…」
呟いてみたが冬乃はもう居ない。
もう会えない…。