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【HQ!!】短編集。

第2章 *ずっと一緒に【縁下力】


(うわー……混んでるな…)


家から少し離れた所にある小洒落た商店街に着くと、周りは人だらけ。
堂々と手を繋いで歩くカップルもいるし、幸せそうな顔をしておもちゃを抱えて歩く子供もいる。
皆クリスマスを堪能しているようで何よりだ。

私は100円均一ショップで適当に装飾とクラッカーを買うと、近くにあったベンチに腰掛けた。


(はー…疲れた………って、あれ、仁花?)


体を休めて一息ついていると、見覚えのあるクラスメイト…谷地仁花の顔が見えた。


「おーい!ひと―……っ!?」


ベンチから立ち上がってその女の子に声を掛けようとした時、もう1人、私の知っている人がそこに居た。


(……ちか…ら…くん?)


仁花の横には、楽しそうに笑う力くんの姿。


(どうして……仁花と力くんが……?)

「あれ、綾乃ちゃん…?」

「…え」

「綾乃ちゃんだ!おーい!」


唖然とした顔でその2人を見つめていると、仁花が私に気づいたようでこっちに近づいてきた。


(―やだ、こないで……!!)


私は気づいていないフリをすると、その場から走り去った。



……薄々は気づいていたことだ。
25日に予定があるなんて、恋人がいるからに決まってるじゃないか。
仁花はバレー部のマネージャーだし、有り得ないこともない。
それに、仁花はとても良い子だし、力くんにはお似合いだと思う。


思うのに、なんで――



なんで、涙が止まらないんだろう。




家に帰った私は、買ってきた装飾を飾らないまま
布団に潜り、声を押し殺して涙を流し続けた。
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