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恋しちゃってるようで

第1章 無関心彼女の憂鬱


『ごめん影山、待った?』

「くっそ待った」

『……チッ』

「なんでいま舌打ちしたんだてめぇ!!」





ちょっと下手に出て言ってみたらこれだよ。『待った?』「ううん、全然今来たところ」っていうデートの待ち合わせ的なコミュ力が皆無な幼馴染。


少しはわたしの悪ふざけに乗ってくれてもいいのに。KYか。





もんもんと1人考え込んでたわたしを、彼は平然と追い越して、しばらくした遠い距離で「のろい」とでも言いたげな視線を向けたので、早足に彼に追いつく。



こいつ、彼女に思いやり皆無な奴。







『なんで早く起きれんの、年寄り?』

「朝練あるから」

『わたしバレー馬鹿じゃないんで、早起きできない』

「は?馬鹿って誰だよ」

『お前だよ』







そもそもこの周囲の状況。周りに登校してる生徒すらいないよ。どんだけ朝練早いの、うちのバレー部。



「そういやお前」

『なに』




少し足幅の大きい影山に必死に足を合わせながら歩くのに精一杯だったわたしに、彼がおもむろにわたしに声をかけた。




「いい加減、バレー部のマネージャーやれよな」







『この会話、今月何回目だよ……』
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