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【デスノート L】あやまちの先に、※裏

第1章 



ニヤリ、と竜崎が笑った気がした。何を企んでいるか私には分からないが、なんとなく嫌な予感がする。仮にも私たちは男と女で、今は密室に二人きりだ。
男女の関係が築かれた途端男の人はひたすらに面倒臭い生き物に変わる、それは大学時代に嫌になる程学んだ教訓で、私はこの仕事に就いてから行きずりの行為だけはしないように心掛けていた。

「え、えっと、結構です。仮眠室も充分な設備じゃないですか」
竜崎の表情は変わらない。…私は今どんな表情をしてるのかしら、冷静になれと頭の中で念じながら言葉を紡いで行く。

「無理強いをしてる訳じゃありません。提案ですよ。夢さんは結構お酒を飲まれる方ですよね?つい最近良いワインを仕入れたので一緒に飲む相手を探していたんです」
「…ワイン、ですか…良いですね」
「そうでしょう、一緒に飲みませんか?」

「…じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

私がそう言うと、美しいブルネットの髪の隙間からまた彼が笑った気がした。日々の不摂生が荒れた唇に現れている。それすらなんとも言えない妖艶さを感じて、心臓が小さく跳ねる。


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