第34章 離
「私は、土方さんについていきます。何処までも、何処までもお供します!」
「誰もんなこと望んじゃ……」
「土方さんはいつもそうです。一人で抱え込んで、頑張って……私はそんな土方さんだから、傍で支えたいんです! お願いします!!」
「……斎藤」
土方は斎藤へと助けを求めるが、斎藤はくすっと笑いながら答える。
「副長、雪村も今では俺達新選組の仲間の一人です。それに雪村は副長の小姓です、連れて行かれてはいかがでしょうか?」
「さっ斎藤は俺の味方じゃねぇのか!」
「味方も何も、俺は事実を述べただけですが……?」
きょとんとした顔で斎藤は土方を見る。ああ、彼はこういう人物だと土方は乾いた笑いを浮かべた。そうだったと改めて実感すると、土方は千鶴とへ向き直った。
「これから先は、今までと同じとは行かねぇ。何処まで一緒に進んでいけるか、わかんねぇんだぞ」
「わかっています。覚悟なら等に、出来ていますから!」
千鶴がにっこりと土方へと笑いかける。
「……ったくよ、仕方ねぇな! 千鶴、来い。お前は俺がちゃんと守ってやる。だから……まぁ、無茶だけはしてくれるなよ」
「……! はいっ」
嬉しそうな千鶴を見て、斎藤は安心したように立ち上がり屯所を出るため歩き出した。千鶴が「斎藤さんっ」とふと声をかける。斎藤は振り返らないまま、立ち止まる。