第21章 真
「私に……道を選ぶ資格なんて……っ」
「何を怖がってんだ。現状に甘えるな、誰かが求めたから応えるなんて何の役にも立たない。お前から求めるんだ。お前が選ぶんだ。俺達が居ろと言ったからとか、そういう言い訳はやめておけ。お前のためにならない」
「私には……私にはそんな生き方! わかりません!」
「だったらわかるまで俺が教えてやる!! 御託ばっか並べてんじゃねぇ! お前は新選組に居たいのか、居たくないのか! 答えやがれ!!」
土方の方へと振り返った志摩子は、涙で濡れた顔を隠そうともせず晒す。そうして思い切り土方の胸元を叩いた。思いの丈を、ぶつけるように。
「新選組の人達を見ていると……私も何かしたくなるのです。大人しく待っているだけはもう嫌なんですっ!! 出来ることがあるならやりたい、私も新選組の仲間なのだと……思っていてほしい……ッ、一緒に居たいんです……。新選組の皆様と、一緒に居たい!!!」
「……上出来だ、馬鹿野郎」
土方が大きく溜息をついて、ぽんぽんと志摩子の頭を優しく叩いた。志摩子は声を殺すように泣き崩れ、土方の胸元へ額をつけた。
「なるほど……それが志摩子の意思か」
「……! 誰ですか?」
突如聞こえた来た声に、志摩子は勢いよく顔を上げた。土方はその人物が既にいることを知っていたかのように、ゆっくりと顔を上げる。