第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
「嫌だ!折角君がお菓子を作るというのに
一口も食べられないなど拷問に等しい所業だ!
せめてクッキーだけでも私に融通してくれ!」
「ふざけるな!リヴァイの誕生日祝いの為に作るのに、
その本人を差し置いてお主に与えるなど出来るか!」
「ならば厨房の使用は許可しないぞ、ナナシ!」
「さっき使用を許可すると言ったではないか!?
男に二言は無いと諦めて仕事でもしていろ!」
「断る!例えみっともなくとも私は全力で君の愛を貰いに行く!」
「今は菓子の話をしておったはずだろう!?」
っていうか、『みっともない』という自覚はあったみたいだな、こいつ。
これはもう収集がつかないと判断したナナシは
身体に纏わり付いて離さないエルヴィンを殴って気絶させ退散した。
一応使用許可は一度出たのだし、
さっさと作ってリヴァイに上げてしまえば
エルヴィンも文句を言えないだろうと考えお菓子作りを開始する。
だが、予想以上にエルヴィンの意識が戻るのが早く・・・
冒頭の「納得いかない・・・」という鬱陶しい展開になるのだった。