第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
事の発端は、12月25日である今日が
リヴァイの誕生日だと知ったお昼時だった。
数日前から兵士達がやけにソワソワしているなとは気づいていたが、
まさかそれがリヴァイの誕生日に何をプレゼントするかで
浮かれているとは露にも思わなかったのだ。
いつものように食堂で共に昼食を取っている時、
兵士達が「兵長お誕生日おめでとうございます!」と言って
プレゼントを渡していたのを見て初めてそれを知った。
当のリヴァイは朝から部下達が
引っ切り無しに祝いに来てくれていたらしく、
表情を少し和らげ一人一人に感謝の言葉を送っていた。
呆然とその様を見ていると同じテーブルにいたハンジが
誂うようにリヴァイを小突く。
「よっ!人気者!毎年の事ながら朝からプレゼントを
貰いっぱなしみたいじゃないか。羨ましいな~」
「・・・・うるせぇ・・・」
「えっ!?何々?照れてるの?
リヴァイってば可愛いとこあんじゃん・・・いだっ!!」
少し頬を赤くしたリヴァイは容赦無くハンジの頭に
拳骨を落とし黙らせた。
殴られたハンジは「痛いな~」と頭を擦りながら、
小さい箱をリヴァイに差し出す。
「ま、何はともあれお誕生日おめでとう、リヴァイ。
貴方が一緒にこうしていてくれる事にいつも感謝してるよ」
何時になく真面目な物言いにリヴァイは一瞬目を見開いたが、
すぐに「あぁ、感謝する」と言ってその箱を受け取った。