第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
「納得いかない・・・」
「・・・・・・・・」
ナナシは厨房にいた。
そして一人ではなかった。
はっきり言えば一人でいたかったというのが本音だ。
――――というのも・・・・
「やはり納得いかない・・・。
君の作ったお菓子を私が食べられないなんて、
納得出来るはずがない!」
バンッと厨房のテーブルを叩いて駄々を捏ねているのは、
調査兵団団長であるエルヴィン・スミスだった。
部下や女性達が今のこの姿を見たら、
さぞ嘆くだろうと思うくらいには鬱陶しくて
言動が幼児退行してしまっている。
ナナシはそんなクソガキエルヴィンを無視して
黙々と作業をこなしていた。
エルヴィンが何をそんなに駄々を捏ねているかというと・・・・
今ナナシがリヴァイの為にお菓子を作っているからである。