第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
殺気にも似た空気が廊下に充満しているのを感じ取り、
リヴァイはそっと僅かに扉を開き廊下の様子を窺う。
すると廊下から聞き慣れた足音が複数聞こえてきたので、
思わず舌打ちした。
しかも会話も聞こえてくる。
「エルヴィン!落ち着け!」
「これが落ち着いていられるか!退け、ミケ!」
「いつものおまえなら我慢出来るだろっ!?
しかも何故立体機動装置を装備しているんだ!?
何を削ぐ気だ!?」
「巨人よりも手強い相手には万全を期したいだけだ。
ナナシの抵抗を削ぐ気ではいるが傷つけたい訳じゃない」
「いや・・・おまえが今からやろうとしている事自体、
ナナシを傷つける行為だぞ?」
「ミケ・・・おまえとの問答は無用だ。目標が逃げてしまう」
どうやら必死にミケが止めているらしいが、
エルヴィンは立体機動装置を装備しているらしい。
完全にヤバイ!
「ナナシ、窓から逃げろ!トチ狂ったエルヴィンが来やがった!」
ナナシなら身軽だし、窓からでも逃げられるだろう。
・・・・例え、この部屋が三階にあろうとも。