第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
静かに笑い合っているとけたたましく扉が開き
ハンジが入ってきたのでリヴァイとナナシは何事かと
そちらへ視線を注ぐ。
「あっれー?リヴァイ。ナナシのお菓子は食べ終わったの?」
「クソメガネ、ノックしてから入ってきやがれ」
「心の中ではノックしてるんだけど、
身体の方が先に扉を開けちゃんだ・・・ごめん」
本気か冗談かわからないくらい真顔で言われ、
リヴァイは諦めたように溜息を吐きハンジに用件を尋ねると、
彼女はキラキラした表情でナナシのお菓子
・・・特にシフォンケーキの感想を何度もしつこく聞いてきたので
嫌な予感がした。
「おい、まさかてめぇ何か仕込みやがったな!?」
「えへへ、当ったり~!
ナナシがリヴァイの為にお菓子作ってたっぽいから、
こっそりシフォンケーキにあたしの栄養ドリンクを垂らしておいたよ。
元気になった?」
無邪気に言われた台詞に
リヴァイとナナシはザァァーッと血の気を引かせた。
結果的にエルヴィンに助けられた形になり
リヴァイはホッとしたが、薬を盛られたエルヴィンが
どのようになるかわからず不安が過る。
「え?リヴァイもしかして食べなかったの?」
「エルヴィンの奴が持って行きやがった・・・・」
「あー・・・そっかぁ~。随分悔しがってたからね~。
何か目がイッちゃってたし・・・」
「おい、それは一体いつの話だ?」
「確か・・・ミケに執務室に連行されてた時だったから、
三時くらいかな?エルヴィンに話を聞いたから隙見てケーキに
あたしの誕生日プレゼントも混ぜよ☆って思ったんだもん」
「・・・・・・・・クソメガネが・・・」
余計な事しやがって・・・と地を這う声で言ったリヴァイは
相当ご立腹のようだったが、空気を読めないハンジは椅子に座り
「あたしにもコーヒー頂戴」と飲み物まで要求する始末だった。
仕方なくナナシがコーヒーを淹れてやると、
ハンジは満足そうにコーヒーを啜り「そう言えばさぁ~」と
軽い口調で話し始めた。