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大人で優秀な兵士長の誕生日

第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!







「わかった・・・交換しよう。
だがせめて一口味見を・・・」

「一口でも食べたらその時点で酒は渡さない」


ピシャリと返してきたエルヴィンは独占欲の塊だった。

何故誕生日にこんな仕打ちをされねばならないのかという怒りが
込み上げてきたが、リヴァイはグッと堪える。

ナナシが済まなそうにしていたし、
トレードすれば幻の酒が手に入るのだから
悪い取引ではないはずだと自分に言い聞かせる。


「・・・全部・・・持っていけ・・・。
これはおまえのケーキとクッキーだ」

「取引は成立したな。ではこの菓子は貰っていくぞ」


エルヴィンはニコニコしながら、
本当に貴重な酒を置いてお菓子と共に去って行った。



嵐が去り執務室内に沈黙が落ちたが、
ナナシが恐る恐ると言った感じでリヴァイに謝罪する。


「・・・すまなかった、リヴァイ。
誕生日なのに嫌な思いをさせてしまって・・・・」

「いや・・・おまえのお陰で飲みたかった酒が手に入ったと思えば
そうでもない。気にするな」


全部エルヴィンが悪いのでナナシが謝る必要は無いはずだ。


「それより折角作ってくれた菓子をあいつに渡してすまなかったな。
せめて味を知りたかったが仕方無ぇ・・・」

「あー・・・実はな・・・・」


ナナシは苦笑いを浮かべながら胸ポケットを漁ると
小さい包みを取り出した。

そこにはクッキーが二枚入っていてリヴァイは目を見張る。



「一口もやらないと後々面倒になると思って、これだけ取っておいたのだ。
まさかエルヴィンに全部奪われるとは思わなかったがな。
味見くらいにしかならないが食べてくれリヴァイ」





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