第1章 (色々な意味で)めげるな!祝え!
リヴァイがフォークを手に持ちシフォンケーキを食べようとした瞬間、
ノックも無しに執務室にエルヴィンが乱入してきた。
「やぁリヴァイ、誕生日おめでとう!」
「・・・・あ?」
入室してきたと同時にそう言ってきたエルヴィンを
リヴァイは怪訝な表情で見遣る。
エルヴィンには今朝もそう言われ、
誕生日プレゼントとして茶葉も貰ったはずだ。
それなのに何故またそんな事を言い出したのか・・・。
リヴァイの疑問を尻目にエルヴィンはツカツカと歩み寄ってくると
テーブルにドン!と酒のボトルを置いた。
そのボトルの銘柄を見てリヴァイは目を見開いて驚愕する。
「・・・こ、こいつは!」
「そうだ、リヴァイ。おまえが喉から手が出るほど
欲しがっていた幻の酒だ」
ニヤリと笑うエルヴィンの顔が何時になく悪人面になっていたので、
リヴァイは無意識に警戒する。
エルヴィンがこういう顔をする時は大抵ろくでもない事を
考えている時だ。
ナナシも恐くなってエルヴィンから距離を置く。
「リヴァイ、私と取引しないか?」
「取引だと・・・?」
やはりタダでは酒は貰えないか、と思ったのと同時に
どうせなら茶葉ではなくこの酒を誕生日プレゼントで寄越せよと
リヴァイは舌打ちしたくなった。