お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
お兄ちゃんは某高校でセンターを務めているエースだ。
全国にようやく行けるようになったのは彼のおかげだと近所の人は言う。
「、あの子供とキスしたって本当か」
敦君が帰ってから、お兄ちゃんは鼻息荒く聞いてきた。
「事故だよ」
「だよな! がそう簡単にキスするわけないもんな!」
「うん……」
お兄ちゃんはほっとしたように笑う。
敦君だって、まだちっちゃいからよくわかってないんだ、きっと。
ただお菓子くれるお姉ちゃんが大好きなだけ。
まだ女の子と男の子の違いもよくわからないだろうし……あたしはお姉さんだから授業で習ったけど。
あの後敦君はケーキを買って帰って行った。
お母さんに怒られても気にしない様子だった。
「そういえばあの子供、何か折り紙おいてったぞ」
そう言ってお兄ちゃんはハートの形の折り紙を渡した。
「お前はかわいいんだから気を付けろよ」
「お兄ちゃんったら」
そのハートの折り紙を開くと、下手くそなひらがなで『おねえちゃんだいすき』と書かれていた。
(おがひっくり返ってるよ……)
思わず顔がにやけて、お兄ちゃんがのぞきにくる。
「あの子供……本気じゃないだろうな」
「まさか。まだ小さいんだから大きくなったら忘れるよ。今だけ今だけ」
「……そうか? 小学一年生はそこまで幼くないぞ」
そう、こんな風に大好きだってくっついてくれるのはきっと今だけなのだ。
あたしはその時は本気でそう思っていた。