お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「」
お兄ちゃんがあたしの名前を呼ぶ。
学校でのことがばれたんじゃないかとどきりとする。
「なあにお兄ちゃん」
「小学校は大変か?」
「高校よりはましだよ」
バスケ部の主将をしている、あたしの自慢のお兄ちゃんはちょっとシスコンだ。
「楽しいか?」
「うん」
「今年はお前も最上級生だな」
にこにこと、あたしの頭をお兄ちゃんは撫でる。
「手つなぎペアは大変だろうけど、かわいいだろう」
「うんっ」
「どんな女の子だ?」
「えーと」
お兄ちゃん、女の子前提だと思ってる。
なんだか言いにくいなあ。
「」
そんな時、洋菓子店のほうから声が聞こえた。
「誰だ?」
お兄ちゃんが眉根を寄せて店頭に立つ。
そこにはお母さんと一緒にニコニコとたつ敦君がいた。
「のお店のケーキ美味しかったから、お母さんにおねだりしちゃったし~」
「敦君」
「知り合いか?」
「手つなぎペアの……」
「男にしたのか!? っていうか本当に1年生か!?」
やっぱりいやそうな顔してる、お兄ちゃん。
「はじめまして~の婚約者の紫原敦だよ~」
「敦っ」
敦君のお母さんが慌てて敦君を止めるも、もう遅かった。
お兄ちゃんの後ろには熱い炎が燃えていた。
敦君が大人なら、きっと殴られていたに違いない。
「お兄ちゃん、子供の迷い事だよ」
「オレもうお兄ちゃんだしっ~小学1年生だよ~?」
「敦君っ」
「お前が好きなのか」
「うん、やさしいしかわいいしいいにおいするし」
「そうだなあ、全文同意するよ」
「でしょ~?」
「でもな」
「?」
「お前なんかにうちの妹はやらんっ」
お兄ちゃんはカッと目を見開いて言い切った。
「え~? なんで~?」
「子供だからだ」
「ちゅ~もしたしっ」
ああ、敦君、それは言わないでほしかった……。
「なんだと……」
お兄ちゃんはぐらりと巨体を揺らして倒れかける。
「こんな子供がの婚約者……」
「婚約者じゃないってば!」
思わずあたしは叫ぶ。
「違うの~?」
「敦君も黙ってて!」
頭が割れるように痛い。
こうして、お兄ちゃんと敦君の数年にわたる戦いは始まったのだった。