お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
プールの日が来た。
しかも、それは征十郎くんちのプールだったりする。さすがお金持ち!
プライベートビーチもあるらしいけど、日焼けしたくないから室内プールをあたしは選んだ。
温水プールもあって、敦君は早速ジャグジーで遊んでいる。
「水着似合うね。ピンクのビキニ」
敦君がにっこり笑って言った。
「当然だろう。さんは何を着ても似合うのだから」
「それもそうだね~」
「2人とも、褒めても何も出ないよぉ」
それに、2人とも水着姿かわいいよ!
お菓子柄の敦君と、シンプルだけど高そうな某○―バリーチェックの水着の征十郎君。
どうも二人は泳げるらしく、すいすいと競って言った。大体が途中で敦君がふざけだして、結果は出ていない。
今に至ってはデカい浮き輪を二人で共有して水面に揺れている。
「敦、勝負は真剣にやれ」
「やだよ~遊びに来たのにそんなのめんどくせ~し」
くすくす、とあたしは笑いながらそんな2人を眺めながらトロピカルジュースを飲んだ。
さすが赤司家。ジュースも格別。
本当は友達も呼べれば最高だったんだけど、さすがに人の家だからなー。
「楽しいですか? さん」
「うん、とても」
「ならよかった」
征十郎君は満足げにほほ笑む。
本当にありがとうね、征十郎君。
そんな風に笑っていると、あたしの頭に何かがぶつかった。
それはビーチボールだった。
「あそぼ~?」
敦君が無邪気な笑みを浮かべながらあたしに向かって手を振る。
「まってまって」
「三人で遊ぶしっ」
勢いよくボールをもって、あたしは敦君に投げる。次は敦君が征十郎君に投げる。
それの繰り返し。
そして次は敦君にあたしが投げる番になったんだけど……力加減を忘れて……。
「った」
敦君の顔面に思い切り投げてしまった!
敦君はプールにぷかりと浮く形になる。
あたし達は慌てて敦君に駆け寄り、あたしが敦君を抱き上げる。
「大丈夫?」
「……うん、ふかふか、だし……」
ごんっ。
思わず敦君をあたしは殴る。
何がふかふかだって?
どーせ細くないですよっそれともまさか……。
……もしそうだったら最低!エロガキっ!
「スイカ割りするぞ!」
プールの上から征十郎君の声が聞こえて、あたしと敦君はプールサイドに上がった。