お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「はい、6年生のお姉さんお兄さんと1年生のお友達で手つなぎペアを作ってね~」
そう、教師に促されそれぞれが気の合いそうな1年生を探す。
あたしも、ぼんやりしながらそれに参加した。
あたしの学校では、毎年6年生が1人、1年生のお世話係をすることになっている。
それが手つなぎペア。
誰にしよう、と思っているると、後ろからぱたぱたと駆け寄る音がした。
「おね~ちゃんいいにおいだし~」
ゆるい口調に振り向くと、3年生ぐらいの男の子がいた。
……いや、一応バッチの色を見ると1年生で間違いないらしい。
きれいな紫色の髪に、よだれがつかんばかりにあたしををじっとみている。
「そこ、ペア決まったのか。よかったな~紫原。そいつの家は洋菓子店だぞ」
1年生の担任が、紫原君とやらに笑顔で語りかける。
「おかしやさんっ!」
「あ、うん、そうだよ」
「おね~ちゃんち、おかしやさんなの~? オレとペア組んでよ~」
「いいよ」
目がキラキラしている彼を、あたしは手つなぎペアにすることにした。
これからは一緒に登下校をしたりイベントに参加したりする。
「紫原君は下の名前はなんていうの?」
「敦だし」
「敦君」
「おね~ちゃんは?」
「」
「」
「……そう呼びたいの?」
「うんっ」
かわいらしく頷かれると、拒否できない。
それにしても、大きな子だなあ。
「お菓子が好きなの?」
「だいすきだしっ」
「じゃあ今度帰りにあたしのおうちの試食、しに行く?」
「行くしっ」
即座に返答が帰ってきて少し笑う。
「今日の帰りじゃだめ~?」
「いいけど……」
「わあい」
ふにゃりと笑って、敦君は子供らしい表情を見せた。
この子見た目はほかの子より大きいけど中身はかわいい子みたい。
今日は1年生と帰る時間が一緒だし、まあいいかな。
「じゃあ、また放課後にね」
そう言ってあたしはひらひらと手を振った。