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【CDC企画】The Premium Edition

第4章 Truffe Fraise(銀時)


もしそれが事実ならば、アスカは喜びの他なかった。何故なら、それは銀時が幼い頃、ちゃんとアスカの作品を読んでいた証拠となるからだ。時を経てもアスカの小説だと気づけるほど、アスカの文体を知り尽くしている証拠なのだ。彼の意識を惹きつける作品は、とうの昔に完成していたのだ。

それを知り、アスカの表情が綻びてくる。今まで認められなかった相手に、やっと認められたような気がした。それが彼女にとって、どれほどの幸せだったか。今まで評論家から貰った賛辞よりも嬉しいのは確かだ。

喜びを見せる彼女に満足し、銀時も銀時で口角が上がるのを自覚する。そして祝福の乾杯として、労いの言葉と額へのキスを一つ、アスカへ贈った。

「お疲れさん」

コツン、と鈍い音を立てながら、二つのマグカップはぶつかった。





-fin-
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