【CDC企画】The Premium Edition
第3章 Liquor(リヴァイ)
「おはよう、リヴァイ」
「……今度は何処だ?」
「海よ」
「これが、か」
「そ、素敵な所でしょう?」
目覚めたリヴァイが上半身を起こせば、知らない光景が目一杯、視界に入った。以前はそんな事はなかったのに、最近はアスカとこうして再会する度、新たな場所へと連れてこられる。だが今回は今までで一番と言って良いほど、馴染みのない環境へと誘われた。
「真っ白な砂、高い太陽、潮の匂いがする風、忙しなく波打つ水…………私、ここが気に入っちゃったの。だから、リヴァイにも見せたくて」
「随分、遠くまで旅してるようだな」
「そうね、もう途方もない距離を漂っているわ。全身がもう散りぢりに広がってるから、寒いところにも暑い所にも居るのよ。あ、動物に食べられてお腹にいる私も居るの。でも今はここが一番のお気に入り」
「死んだ後の方が、楽しそうだな」
「少なくても私は楽しんでるわ」
「そうか」
真っ白なシャツとカーキ色のパンツと、かなりの軽装をしている二人は素足のまま、隣同士で砂上を座っている。巨人がいるかもしれない壁外でする格好では、到底ない。けれど、そんな事はどうでも良かった。何故ならば、これはリヴァイの夢の中だと知っているからだ。