第1章 冷たい朝日
俺は不思議な程、彼女が愛しくてたまらない。世界で一番大事にしたくてたまらない。
高校の頃はお互い、ただの選手とマネージャーだった。卒業式の日に、晴れやかな表情だった彼女を一転、耳まで真っ赤にさせるような文句で口説いたのは俺だ。
右腕を肩に回して、恍惚とした表情と息遣いを確かめな
がら、左手は彼女の太ももの隙間に割って入る。
「ヒャッ!冷たいよう」
先ほどまで冷気に晒されていた自身の手は思ったよりも冷たかったようで、夢はケラケラ笑いながら身を捩って逃げ出そうとする。
可愛らしい生き物、無垢な子供。
しかしそのまだ未熟とも言える十九の身体は、もう情事の快楽を知っているのだ。