第8章 夜勤【高杉晋助】
━ ガラッ…ピシャッ ━
凛は何も言わぬまま高杉の部屋に入り、ベッドへ歩み寄る。
高「おいおい、ここの看護師は躾が行き届いてねぇな。普通黙って部屋に入ってくるか?ククッ。」
凛「無駄に三回も看護師を呼びつける人に、躾云々の説教されたくないですね。」
失恋で泣く暇もないじゃない…と凛は心の中でぼやく。
高「別にいいだろ。俺ぁ暇なんだ。相手しろ。」
凛「生憎、私は忙しいんです。まったく…子供じゃあるまいし…暇なら寝てください。もう真夜中なんですよ。それにどうせ用は無いんでしょう?私は戻ります。」
高「ほぉ…患者をほっといて戻るたぁ、冷てぇな。…まあまた呼び出すさ。」
凛「なっ!?もう次は呼ばれても来ませんから!!」
そう言って部屋を出ようと高杉に背を向けた時…
高「だったらまた来たくなるようにするまでさ。」
凛「っ!?」
腕を掴まれ、ベッドへ引きずりこまれた。