第32章 忘年会【土方十四郎】
翌朝目を覚ますと、土方は既に起きていた。
「ん、目ぇ覚めたか。体調はどうだ?」
「…ちょっと頭が痛いくらいで、大丈夫です。」
「そうか。なら、これ。」
ポンと手渡される小さな箱。
開けるとそこには小さく光るネックレスが入っていた。
「これ…あ。」
見上げると、土方の首元にも似たようなネックレスが光っていた。
「これで少しは寂しさ紛れんだろ。」
ぷいと横を向いたが、耳が少し赤く染まっている。
ペアルックなんて絶対嫌がる人だと思ってたのに。
「ありがとうございます…っ!向こうでも頑張れます!」
「…他の奴らにはあんま見つかんなよ。」
もう大丈夫。
凛の心は穏やかなものになっていた。
━ fin ━