第30章 こたつ【坂田銀時】
━ 志村家にて夕食中 ━
「そういえば、銀ちゃん。」
「んー?神楽、なんだ。」
「ウチにチョコでも置いてるアルか?」
「は?何の話だ。」
「銀ちゃん達呼びに戻った時袋が落ちてたネ。二人で食べてたんだろゴラァ。」
袋……
まさか………
「神楽ちゃん。その袋ってどんなのだった?」
新八の眼鏡に光が反射している。
お妙は少しうつむいて前髪で前を覆っている。
二人とも目が見えないのが逆に恐い。
「んー?こんくらいだったネ。」
神楽が指で作った四角は、四、五センチ。
完全に「コンドームの袋」
銀時が急いて放り捨てたものだ。
「ぎ、銀さん…」
凛がチラッと銀時を見れば、銀時は冷や汗ダラダラ。
「「銀さん。」」
「は、はひいぃっ!?」
ゆらりと志村兄弟が立ち上がる。
「凛さん。ちょっと席を外しますね。」
「は、はい…」
「凛ちゃん。銀さんを借りるわね。神楽ちゃんとご飯食べてて。」
「………はい。」
二人が慌てる銀時を引きずりながら別室に連れていく。
「?どうしたアルか?」
「神楽ちゃん……ご飯食べよ。」
直後、隣部屋から銀時の悲鳴があがり、翌日の朝まで姿を見る者はいなかった。
そして、万事屋ではサカるまいと心に強く誓った銀時であった。
━ fin ━