第29章 反乱【阿伏兎】
春雨第七師団には厄介な奴がいる。
何が厄介かっていうと
そいつの立場、性格、人種…etc
要は存在自体が厄介。
「団長。そろそろ着くぞ。」
「んー?もう?俺、もうちょっと寝ていたいんだけど。阿伏兎が一人で全部終わらせてきてよ♪」
「俺一人だと一週間は滞在する事になんぞ。」
そして今、俺ら第七師団は春雨の仕事でとある星にやって来た。
ちなみにこの団長も厄介っちゃあ厄介だが、それとは別のヤツの話。
「仕方ないなぁ。こんな弱っちい星に一週間なんていたくないからね。」
「星壊すなよ、団長。あくまで一番上に君臨する野郎を仕留める事が任務だからな。」
「へーいへい♪」
分かってねえな、コイツ。
「(まぁ今さらか。)」
諦めの混じった溜め息をつき、星に降り立つためにドアの前に立った、その時。
「あ、いたいた!阿伏兎ー♪」
出た。
「何だ。珍しく見送りか?」
「そんな事するわけないじゃん♪あのね、お願いがあるの!」
俺が今最も警戒しているヤツ。
第七師団所属、凛。
こいつのお願い事なんて、絶対ろくな事じゃない。