第24章 進路相談【坂田銀八】
事後、二人はシャワーは後にしてベッドで布団を被った。
「お前さ、今日どうしたの?」
「え…?」
「セックス中、なんかいつもより大人しいからさ。何か悩んでんの?」
驚いた。
自分でも黙っていた事に気づかなかったのに。
「え…いや、その…」
「俺の事、嫌になっちゃった?」
「違いますっ!」
「あ、即答なのね。良かったわ。」
嫌いになんかなれない。
むしろ「好き」が募る一方だ。
「んじゃ、何に悩んでんの?」
凛は迷った。
聞きたい事はただ一つ。
銀八の描く遠い未来に凛がいるかどうか、だ。
だが、人によってはすごく重く感じられる質問。
嫌われるのが怖くて、凛はまた黙ってしまった。
「凛、黙ってたら分かんねぇよ?」
ひどく優しい声。
でも凛は小さく縮こまる事しか出来なかった。
「うー…ん…」
その凛の態度に少し頭を悩ませる銀八。
だがすぐに諭すような声音で話し出した。