第19章 誕生日【土方十四郎(5/5)】
「はあぁ…食った食った…」
食後、淹れた日本茶を飲みながらホッと一息をつく。
「あの、土方さん。まだあるんです。」
「え、もう俺、食えねえぞ。マヨなら別だが。」
「残念ながらマヨじゃありません。スイーツ感覚で別腹にするものでも無いですよ!?」
あ、マヨも買っとくべきだったかな、なんて考えてしまうあたり、凛もそろそろ土方のマヨ好きに慣れてきた。
「食べ物じゃなくて……これです。」
凛は少し大きな袋を差し出した。
それは、誕生日プレゼント。
「食い物作ってくれただけでもありがてえのに…いいのか?」
「土方さんのために買った物なので。」
「分かった。ありがとな。…開けても?」
凛がコクリと頷いたのを見て、土方は丁寧に袋から箱を取り出した。
開けるとそこには
「これ…ワイシャツ…人気で高いやつじゃねえか。」
「土方さん、制服の下にいつも着てるから、いいかなと思って。」
「本当に、こんなの貰っていいのか?」
「それ着て、これからもお仕事頑張ってくださいね!」
少し値は張ったが、身なりをきちんとすると生活も乱れないと言う。
激務をこなすからこそ、副長という重役だからこそ、服装はきちんとして欲しい。
彼女としてそこからサポートしていけたら、と凛は思っていた。
「本当にありがとな。大切にする。」
そう言って土方は凛の頭をクシャクシャと撫でた。
そしてその手はそのまま凛の後頭部に回り、土方はゆっくりと顔を近づけ、二人の唇は重なった。