第19章 誕生日【土方十四郎(5/5)】
凛は昔、真選組がよく利用する料亭で働いていた。
事件の起こったその日、凛はいつものように真選組の宴会を担当し、仲良くなっていた隊士…今日は土方の酌をしながらもてなしていた。
だが、皆がそこそこ酔い始めた頃、真選組が貸し切っていた大広間の襖が蹴破られた。
『幕府の犬ども!!覚悟しやがれええぇぇ!!』
『攘夷志士だ!応戦しろ!!』
敵が酔い潰れた所を叩く
逆に言えばそういう時しか戦えない
そんな雑魚相手、真選組にとってみたらチョロい相手だ。
だがそうそう上手くいかないのが世の常。
凛が思っていた以上に真選組は苦戦していた。
『うっ、くそっ!ゴキブリみてえに次から次に湧いてきやがって…っく!!』
カキン カキンと鋭い刃の音が鳴る中、凛はただ一人、戦えずに守られるしかなかった。
『ひ、土方さん!私、外から応援呼んできます!!』
『もう山崎に行かせた!!ジッとしてろ!!』
『じゃあ、せめて盾になる物を…』
『いいから!!お前は俺のそばから離れるな!!』
土方は凛を守りながら応戦していた。