第16章 取り調べ【桂小太郎】
一ノ瀬凛は警察庁に勤める警察官。
先日、指名手配されていた桂小太郎が捕まったらしい。
そして今凛は、その桂小太郎の取り調べ室の前にいた。
「はぁ…なぜこんな事に…」
桂は思ったより口が固く、本拠地や仲間の名前や居場所をまったく吐かない。
むしろ取り調べの為に部屋に入った警察官がことごとく打ちのめされている…いい意味で。
『うっ…俺…もっかい自分のしたい事が何かを考えます!ありがとうございましたっ!!』
と泣いて出てくる者。
『桂さん。俺、夢を諦めずにもっかい頑張ってみます!』
と励まされて出てくる者。
そんな奴らが後を絶たない。
故に、趣向を変えて、色仕掛け(という程エッチな事はしないが)をすべく署内美人で有名な凛が取り調べを担当することになったのだった。
どこで入手したのか、桂の好み「人妻」という設定付きで。
「ふうぅ…よしっ!行こう。失礼します。」
凛は取り調べ室の戸を叩いた。