第16章 勝負と力と天空闘技場
一時休戦してキルアと後ろの方を見てみると、立っていたのは優しそうなお兄さん。
……あの、シャツが出てますよお兄さん!!
なんて初対面で言えるはずもないので、とりあえずここは黙っとく!
「ちゃんと教えを守っていたね」
「オスッ、光栄す!師範代、またシャツが」
「あ、ゴメンゴメン」
よくいったズシ!
私もそれ気になってたよ!
ニコニコしたまま、お兄さんはこちらを向いた。
「そちらは?」
「あ、キルアさんとゴンさんとさんす」
「ほうほう…はじめまして、ウイングです」
「「オスッ!!」」
へぇ、ウイングさんっていうんだ。
てゆーかゴンとキルアまでオスッ!!って……可愛いな!
「ここまで来るぐらいだからそれなりの腕なんだろうけど、くれぐれも相手と自分相互の体を気遣うようにね」
おおお……なんだこの味方だけでなく敵も全て包み込んでしまうような優しさ溢れる言葉は!
ウイングさんはまた観客席へ見に行くそうなので、そこで別れた。
「ズシの師範代って、なんかほんわかしてるね」
「そうっすか?あの人抜けてる所が多いから自分は心配っす」
おいそれ言っちゃっていいのか!?
確かにシャツはみ出てたけども!
「おーい、早くこいよ!置いてくぞ」
キルアが呼んできた。
「そんなに急がなくてもいーじゃん」
「なんだよ、ギャラほしくねーの?」
「さて行こうかキルア!!ズシ!早く来ないと置いてくよ!」
「お前ほんとに扱いやすいな」
なんか前にも聞いた言葉だけど無視!
私にはお金が待っているのだから!!!