第32章 涙と勧誘と脱出
「何だおまえ、シャルと知り合いだたのか」
「あぁ、うん……って、うわ!顔近っ!!」
鼻くっつきそうな距離なんだけど!
「オレもびっくりしたなぁ。もうに会うことないと思ってたし、また会えて嬉しいよ」
「じゃあ逃がしてください」
「それは無理」
「すごい笑顔っ!!」
シャルの笑顔に一瞬黒いものが見えたのは伏せておこう。
しかしその直後、左腕に激痛。
「い"ったあ"ぁぁぁ!!」
「!?」
キルアとゴンが駆けつけてくれた。
どうやら隣にいたフェイタンに、さらに腕を負傷された模様。
「痛いよ、痛いよキルア」
「うっわ、すげー腫れてんな…」
確かにもうすごい腫れてるよね。
私なんもしてなくね?なにこの仕打ち。
もうフェイタンなんなのもうやだ本当。
「自慢の腕相撲もできないよ。シャル、コイツとは関わらないほうがいいね」
「え?腕相撲?何の話?」
「コイツがシズクに腕相撲勝たて話よ」
「へぇえ!すごいじゃん!で?その自慢の腕は?」
「たったいま粉砕されましたァァァ!!」
なんだこのコントは!
もう腕ボロっボロなんだけど!
左腕めっちゃ真っ赤っかに腫れてんだけどォォ!
痛みに悶えていると、ノブナガさんが近づいてきた。
あんたそのムダにサラサラした髪私にくれよ。
「ほぅ、お前腕相撲でシズクに勝ったのか」
「もう10年も前の話です」
「えっマジで?」
「いや嘘ですけど」
「嘘かよっ!」
まぁいい!とノブナガさんは咳払い。
あ、いいんだ。
「よし、オレと腕相撲で勝負だ」