第26章 箱とゲームとメッセージ
『だからお前が聞いている現在もどこかでバカやってる。それでも会いたきゃ探してくれ』
『だが、さっきも言ったがオレはお前にとは会いたくねぇ。近づくのがわかったらトンズラかますぜ』
『捕まえてみろよ、お前もハンターなんだろ?』
…ここで、ジンさんの声は聞こえなくなった。
「ふーん、お前の親父も一筋縄じゃいきそーもねーな」
「うん」
「私は自由人なんだなって思いました」
「作文かよ」
キルアはスイッチを切ろうとデッキに近づく。
すると、ゴンはそれを止めた。
「ジンはまだそこにいる」
「えっ!」
まだ終わってなかったの!?
しばらく待っていると、またジンさんが話し始めた。
『……………あー、ひとつ言い忘れてた。お前の母親についてだ』
「!!!」
ゴンのおかあさん!?
やばい聞きたいかも。
『知りたければこのまま聞いてくれ。別にいいならーー』カチッ
「え?」
ゴンは途中で停止ボタンを押した。
「え、えええ!?気になってたのに!!」
「いいのか?ゴン」
「うん」
「でも、もしかしたら何か手がかりあったかもしれないのに…」
「ないよ、多分。勘だけど」
どんだけ聞きたくないのこの子!!
しかし、ゴンは笑顔で
「それに言っただろ。オレの母親はミトさん!」
なんて言うもんだから私はひたすら悶絶。
そんなとき………
カチッ、
キュルキュル……
キュルルルルルル
「!!!?」
なんと、止めたはずのテープが勝手に動き出した。