第23章 発と水見式と念能力
そう言うとウイングさんは水をギリギリまで入れ、葉っぱを浮かべたコップを私達の前に持ってきた。
「水見式」
「ミズミシキ?」
「はい、心源流に伝わる選別法です。"発"の修行としてもこれを使います」
そしてウイングさんはそのコップに手をかざす。
「ここに手を近づけて"練"をおこなう。その変化によって資質を見分けます」
ウイングは練を発動した。
すると……
「!!!」
「水が…すごい勢いで増えてる!!?」
コップに入っていた水がザーザー溢れだした。
ちょ、すごいけど水が床まで流れてますよウイングさんんん!!
「水の量が変わるのは強化系の証。私のオーラが強化系の性質に属してることを示しています」
「師範代!それは分かりましたけど、流れた水を拭かないと!」
「えっ!?……あぁっ!ごめーん!!」
ズシに言われて慌てるウイングさん。
いやあんた、『ごめーん』て……ホントに私達の師匠ですか。
「タオル!タオルどこですか師範代!!」
「えっと……確か…」
「師範代早く!!こうしている間にも水がフローリングに浸入してるっす!!」
「ちょ、ちょっと待ってズシ!!…確か洗濯して外に干してある!たぶん!」
「了解っす!」
何なんだこの師弟は。