第4章 嘘とお猿とヌメーレ湿原
湿原に入ると、周りには濃い霧が漂っていた。
「ゴン、、もっと前に行こう」
「うん、試験官を見失うといけないもんね」
しかし、キルアはチラッと後ろを見て
「…そんなことよりヒソカから離れた方がいい。あいつ殺しをしたくてウズウズしてるから」
「ヒソカ……って、さっきのピエロ?」
「あぁ、霧に乗じてかなり殺るぜ」
何でそんなこと分かるんだろ?
ゴンも私と同様で少し驚いていた。
キルアが私達の視線に気づいて、ニッと笑う。
「何でそんなこと分かるのって顔してるね。………なぜならオレも同類だから、臭いで分かるのさ」
「…は?全然見えないんだけど」
「うん、オレもそんな風には見えないよ」
てか、どう見たらあのピエロとキルアが一緒に見えるの?
「それはオレが猫かぶってるからだよ。そのうち分かるさ」
「ふーん」
なるほど、キルアは小悪魔系ってことね(←全く違う)
「レオリオー!!クラピカー!!キルアが前に来た方がいいってさー!!」
突然ゴンが隣で叫ぶ。
あー、あの二人も心配だもんね。
「緊張感のない奴らだなー」
キルアは呆れた顔をしてた。
しばらく走っていると、さらに霧が濃くなってきた。
「ギャアァァッ」
遠くから人の叫び声が聞こえる。
「何であんな遠くから悲鳴が!?」
「だまされたんだろ」
あの人面猿みたいな生き物がたくさんいるのかな……てか、
「まさか、クラピカとレオリオもあの中に…」
…いや、いやいやいやいや。
ないない、あるわけないさ。だって大丈夫そうだったし……でも心配だな………。
「…………!!」
「っ!?な、なに!?」
キルアが少し怒った顔で私とゴンを見ていた。
「ボヤッとすんなよ、人の心配してる場合じゃないだろ」
「う、うん…」
「霧で前を走る奴が霞んでる。一度はぐれたらもうアウトだ…………せいぜい、友達の悲鳴が聞こえないよう祈るんだな」
キルア…意外と厳しいこと言うんだね君。
すると、
「ぎゃっ!!」
「ぐあぁっ!!!」
さっきよりもたくさんの悲鳴が聞こえてきた。